季節性アレルギー性鼻炎の代表にスギ花粉症があり、日本人の 5 人に 1 人以上がスギ花粉症と言われています。スギ花粉症の治療薬は様々ありますが、薬を服用しても効果が得られない方もおられます。そのような方はスギ花粉症の重症と診断されます。スギ花粉症治療薬のゾレアは 2020 年にスギ花粉症の重症の方向けの治療薬として認められました。スギ花粉症重症で今までの治療薬に効果が得られなかった患者さんには朗報となると考えられています。
ゾレアはスギ花粉を認識する IgE 抗体とくっつくことで体内でスギ花粉を認識しないようにするお薬です。体内でスギ花粉が入ってきたと感じないため、アレルギー反応自体、体内で起こらなくなります。今までのお薬は起こってしまったアレルギー反応に対して、アレルギー反応を抑えるお薬でしたが、ゾレアはそれらと比べ効果が高く現れます。しかしゾレアは投与期間のみしか持続しないため、スギ花粉症の期間、月に 1〜2 回投与しなければなりません。
- くしゃみ、鼻汁、鼻づまりの改善
- 目のかゆみの改善
- QOL(生活の質)の改善
- 鼻アレルギー診療ガイドラインにてスギ花粉症の重症または最重症
- 過去に医療機関で鼻噴霧用ステロイド薬及び内服薬による治療を受けたが、効果が乏しい
- スギ花粉抗原に対する特異的 IgE 抗体がクラス 3 以上
- 血液中の総 IgE 値が 30〜1,500 IU/ml の範囲
- 12歳以上で、体重が 20〜150kg の範囲
- ゾレアによる治療は誰でも受けられますか?
- ゾレアが保険適応されるための条件は、
① 過去に医療機関において薬を服用しても花粉症の症状が 1 週間以上持続した重症又は最重症のスギ花粉症の方
② アレルギー検査でスギ花粉の結果が陽性だった方
③ 12歳以上で、血清中総 IgE 濃度が 30〜1,500IU/mL、体重が 20〜150kg の範囲にある方
- 治療を開始するためにどのような検査を行いますか?
- スギ花粉に対してアレルギー反応があるかどうか血液検査を行います。結果は 1 週間程度で判ります。
- どの程度通院しないといけませんか?
- 通常2週間または4週間ごとに医療機関で皮下注射します。
治療は原則として原因である花粉の飛散時期に応じて行います。
自己判断でほかの処方薬を減量または中止しないようお願いいたします。
- どれくらいで効果が出てきますか?
- 初回投与後数日〜2週間で効果が現れます。